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神村 岡弁護士ブログ

司法取引

2014.06.28 [ 神村 岡 ]

刑事事件の被疑者が捜査に協力した見返りにその罪を軽くしたりする,いわゆる司法取引が,制度化される可能性が高くなってきたようです。

これまで,司法取引は認められてきませんでした。
それは,無関係の者を共犯者として巻き込んで自分の罪を軽くしようとするなど,事実がゆがめられてしまう可能性があるためです。

司法取引の制度化が動き出したのは,取り調べの可視化と関係があると思います。
取り調べの可視化とは,取り調べの様子を録音・録画することで,後から取り調べ状況を検証することを可能にするものです。
そして,取り調べの可視化によって,これまでは秘密裏に行われてきた司法取引を,隠れて行うことができなくなり,正面から司法取引を認める必要性が出てきたということではないかと思います。

いずれにしても,事実が歪められかねないという司法取引の弊害に注意していく必要があります。

チカホ法律相談

2014.06.22 [ 神村 岡 ]

札幌駅から大通公園まで繋がる地下歩行空間を「チ・カ・ホ」と言いますが,今日,そのチカホで,札幌弁護士会が主催する無料法律相談会の相談を担当してきました。

私の担当は,午前10時から正午までの2時間でした。

「チカホ法律相談」は過去に何度か開催されており,前回までは事前に相当な広告が行われていましたが,今回は事前の広告はあまり行われなかったそうです。

そのためか,2時間の担当で,最初の1時間はお一人しか相談を受けませんでしたが,後半1時間は4名の相談を担当しました。

皆さん完全に通りすがりの方々で,ちょっと気になっていることがあるということで立ち寄られ,10分〜15分ですっきりして行かれました。

5名の方の相談を担当することになり,弁護士に相談に行くまではしないが悩んでいることがあるという方は,思いのほかいらっしゃるんだなと感じました。

昔から弁護士は敷居が高いと言われますが,我々弁護士は,その敷居を下げるための努力をこれからもしていく必要があるようです。

さっぽろ祭り

2014.06.21 [ 神村 岡 ]

先週末,中島公園で開催されたさっぽろ祭りに息子と二人で行ってきました。

公園の中に屋台がずらっと並び,お化け屋敷などのいわゆる見世物小屋も毎年恒例のものが出ていました。

当日はあいにくの雨で,中島公園について間もなく降り始め,そのうち土砂降りになりました。

傘を片手に持ち,おそらく13キロくらいの息子をもう片方の腕でだっこして歩くことになり,腕力が持たずあまりいろいろ見て回ることができませんでしたが,雨宿りと腕休めがてら,見世物小屋の内,バイクサーカスの小屋に入りました。

バイクサーカスの小屋は,ほとんど全て木造で,中心部が4,5メートルの高さの木の壁に円く囲まれて円筒状になっています。そして,その円筒の上端の周りを囲むように観客席が設けられています。

バイクは,その円筒の内側を遠心力によって真横に傾いた状態でぐるぐる回り,観客が上から差し出したお金(紙幣)を上端ぎりぎりまで行ってつかんだりします。

初めて見ましたのでなかなか面白かったです。

面白いのと同時に,バイクが円筒の上端をはみ出したら大惨事になるななどと思いながら見ていましたが,ライダーはきっと絶対にミスをしないといえるくらい熟達しているのでしょう。
すごいねぇなどと月並みなことを言いながら見ていました。

祭りの最後はチョコばななで締めました。

国民投票法改正

2014.06.14 [ 神村 岡 ]

今日,国会で,改正国民投票法が成立しました。

憲法改正のための国民投票の具体的な手続を定め,投票年齢を4年後に20歳から18歳に下げるという内容です。

憲法96条には憲法改正の手続が定められていますが,そのために必要な国民投票について具体的に定めた法律がこれまでなかったため,今回の改正で初めて憲法改正のための手続が整ったことになります。

また,投票年齢が20歳から18歳に引き下げられました。

なぜ国政選挙の投票権が20歳以上なのに,憲法改正の国民投票だけ18歳なのでしょうか。

政府によると,若い世代にもしっかり議論して欲しいからとのことです。

確かに,18歳ともなれば憲法のあり方を考えることはできるでしょうから,投票年齢を18歳とすること自体には異論はありません。

しかし,若い世代であればあるほど,戦争から遠い世代であり,憲法9条を改正することに抵抗が薄いのではないかと思います。

したがって,結果的には,投票年齢を18歳に下げることで,9条を含む憲法改正が国民投票で承認される可能性が高くなります。
ですから,これも憲法改正のための布石に過ぎないように思えて仕方ありません。

いずれ憲法改正が発議されるときが来ると思います。
そのとき,国民的な議論がしっかり盛り上がるように努めるのも,我々弁護士の大事な仕事だと思います。

会見拒否の理由

2014.06.06 [ 神村 岡 ]

横綱の白鵬が,先場所での優勝の翌日に恒例の記者会見を理由も言わずにキャンセルしていた件で,白鵬自身の口から理由が語られました。

白鵬の奥さんは第4子を妊娠していましたが,先場所中に流産してしまい,白鵬は先場所の13日目にそのことを知ったそうです。そして,もし記者会見に出れば第4子のことを聞かれていただろうし,奥さんの心情を考えると記者会見で流産の事実を明らかにするのは早すぎるし,かといって嘘をつくこともできないという葛藤の末,理由を告げずに会見をキャンセルしたそうです。

白鵬が会見をキャンセルすることはこれまでなかったので,何か理由があるのだろうとは思っていましたが,真実を知ってとても腑に落ちましたし,何かとても清々しい気持ちになりました。

一時的に批判されることを分かった上で,これしかないという適切な対応をしたのだと思います。


今回の白鵬の会見拒否のように,同じ出来事が,背景事情や経緯を知ることで全く異なるように見えることがあり,これは弁護士の業務にも通じるところがあります。

裁判でいかに説得的に主張・立証するかは,いかに必要な事実を拾い集めて主張・立証できるかにかかっていることが多いです。

また,裁判所に書面を提出する際は,裁判官がそれを読んでどのような印象を持つかを考えることがとても重要になります。

ただ,裁判官にはそれぞれ個性がありますから,提出した書面に対して予想外の反応を示されることがあります。

このあたりは弁護士業務の面白いところであり,難しいところでもあります。

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