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神村 岡弁護士ブログ

支払督促を放置したら?

2015.06.26 [ 神村 岡 ]

支払督促とは,通常の裁判手続を行わずに,簡易な手続で強制執行(給与,預金の差し押さえなど)を可能にする制度です。

債権者が支払督促の手続を申立てると,裁判所は債務者に対して支払督促の書類を送ります。

これに対して債務者が異議を申し立てれば,自動的に通常の訴訟手続で処理されることになりますが,債務者が何も対応しないでいると,債権者は支払督促に基づいて強制執行をすることができるようになります。

それでは,法律で定められた期間内に異議を申し立てなかった場合,支払督促を覆す手段はもうないのでしょうか。

実は,争う手段は残されています。

民事訴訟法上,仮執行宣言付の支払督促が確定した場合には確定判決と同じ効力を有すると規定されていますが,確定判決の内容を後になって争うことができないのに対して(これを,既判力といいます),支払督促の場合は既判力がないとされているので,請求異議訴訟という手続で争うことが可能です。この点で確定判決と確定した支払督促とは異なるといえます。

また,仮執行宣言付の支払督促が確定すると,いつ強制執行をされてもおかしくない状態になるのですが,請求異議訴訟の手続には時間がかかります。そこで,請求異議訴訟の結果が出る間での間,とりあえず支払督促の効力を停止させておくための手続も用意されています。

手続としては少々面倒ですが,実際に強制執行が行われるまでは諦める必要はないのです。

ただし,当然のことながら,支払督促の内容となっている債務について争いようがない場合には,上記のような手続を経たところで支払義務を免れることはできません。

その場合には,債権者に対して分割弁済の申し入れをするなどして,強制執行がされないように働きかけるべきでしょう。

倫太郎

2015.06.20 [ 神村 岡 ]

先日,Dr.倫太郎が最終回を迎えました。
普段あまりドラマは見ないのですが,倫太郎は録画しながらこつこつ見ていました。

倫太郎は,患者にとことん寄り添い,共感することで治療していく精神科医です。

弁護士にも精神科医と同様カウンセリング的な要素があります。
トラブルを抱えた相談者は,話を聞いてもらうだけで肩の荷が下りるということはよくあります。

私も,できるだけ相談者,依頼者の話は良く聞くようにしています。

弁護士ですから,見通しなどについてときには厳しいことも言わなければなりませんが,それも話を良く聞いてからでなければ納得してもらいにくいでしょう。

倫太郎と違って,ときにはなかなか共感できないこともありますが,良く聞いて共感するという基本を大事にしていきたいものです。

自転車のルール②

2015.06.13 [ 神村 岡 ]

2013年12月から,自転車は道路の左側を通行しなければならないこととなっています。

また,原則として車道の左側を通ることになっています。

もっとも,例外的に歩道を走ってもよい場合があります。

それは,

①道路標識等で自転車が歩道を通ることが認められている場合
 歩道に自転車のマークが書かれていることがよくありますが,この例外に当たります。

②車道又は交通の状況からやむを得ないと認められるとき
 車の交通量が多いのに車道の路側帯が狭く,安全に車道を走ることができないときはこれに当たるでしょう。

③運転者が13歳未満の子供,70歳以上の高齢者,体が不自由な人の場合

です。

この例外に当たる場合でも,歩道を安全に走行できないときなどは,降りて通行する必要があります。

私は日常的に自転車に乗っていますが,②に当たりそうなケースが結構あります。
危ない場合には無理に車道を走らなければならないわけではないのです。

自転車のルール

2015.06.06 [ 神村 岡 ]

6月1日に改正道路交通法が施行されましたが,それによって,自転車を運転する際のルール違反に対する罰則が厳しくなりました。

どのように厳しくなったかというと,一定の危険な運転行為を3年以内に2回行うと,講習を受講しなければならないということになりました。講習の受講にはお金がかかりますし,受講しないと5万円の罰金が科されます。

改正法の施行に合わせて,最近自転車の運転について取締が強化されているようですので,具体的に何が違反なのか改めて調べてみました。

例えば,イヤホンで音楽を聴きながら自転車を運転してもよいでしょうか。

このような細かいルールは都道府県毎の規則に委ねられていますが,北海道の場合,以下のように定められています。

高音でカーラジオ等を聴き、又はイヤホン若しくはヘッドホンを使用して音楽を聴く など安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で、車両を運転 しないこと。 」

これによると,イヤホンやヘッドホンを使用して音楽を聴く行為が,安全な運転に必要な音が聞こえない状態の一例として挙げられています。

しかし,この規定だけからは,イヤホン等を使用することが直ちに違反になるのか,それともイヤホン等を使用したことで必要な音が聞こえない状態になって初めて違反になるのか,よくわかりません。

いずれにしても,イヤホンで音楽などを聴いていれば周りの音が聞こえづらくなるはずです。安全のことを考えると,自転車の運転中はイヤホンを使わないのが無難でしょう。

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