2016.08.26 [ 神村 岡 ]

テレビを見ることができるワンセグ機能付きの携帯電話を所持している人がNHKの受信料支払い義務を負うかが争われた訴訟で,さいたま地裁は今日,支払義務はないとの判断を示しました。

今後控訴審での審理に移る可能性もありますが,この判断が確定すれば,普通のテレビを持たずワンセグ携帯のみを持っているがこれまでNHKの請求に応じて受信料を支払ってきたという方は,返金を求めることもできるでしょう。

判断のポイントはどこにあるのでしょうか。

放送法64条1項は,「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は,」受信契約をしなければならないと定めています。
この,「受信設備を設置した者」に,テレビは持っていないがワンセグ携帯を所有している人が含まれるかどうかというところが大きなポイントになりました。
裁判所は,携帯電話を持っているだけでは,さすがに「設置した」とは言えないだろうという判断を示しました。

あくまで法律の文言上無理があるという話ですので,条文が改正され,携帯電話で見ることのできる人も含めるような文言になった場合は,是非はともかく,結論は変わってくるのでしょう。