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神村 岡弁護士ブログ

裁判所の管轄,移送

2016.11.26 [ 神村 岡 ]

先日,新たに札幌地裁に訴訟提起をしていた件について,東京地裁への移送の申立てがありました。

移送とは,訴訟が提起された裁判所とは異なる裁判所に手続を移すことをいいます。

両当事者にとって地理的に都合の良い裁判所が異なる場合に,このような申立てが行われます。

もちろん,希望すれば必ず移送が認められるわけではありません。
移送先として希望する裁判所に管轄がなければなりませんし,諸事情を考慮した結果元の裁判所で審理を継続するという結論になることもあります。

今回移送が申し立てられた件では,東京地裁で審理を行うという契約書上の専属管轄の合意の効力が及ぶか否かが問題となっています。
合意の効力が及ばないということになれば,東京地裁には管轄がないということになり,移送は認められません。

東京地裁で審理が行われることになれば,その分当方の依頼者に出張費用を負担していただくことになってしまいます。
もちろん,我々代理人も時間を取られるので大変です。

そうならないように,裁判例などを検討して反論の意見書を出す予定です。

フリーアコモデーション

2016.11.19 [ 神村 岡 ]

フリーアコモデーションというのは,旅行者が宿泊先で掃除などの仕事(手伝い)をすることで,ただで宿泊させてもらうことを意味します。
略してフリアコと言ったりもします。

世界中を旅行するバックパッカーはよくフリアコで宿泊するそうです。

ところが,先月,札幌のホテルで,フリアコが原因で逮捕者が出てしまいました。


逮捕されたのは,清掃などをして宿泊代を免除されていた外国からの観光客と,ホテルの経営者らです。
観光客は,出入国管理及び難民認定法(出入国管理法)で規制されている,在留資格外の活動(就労)をしたとして,ホテル経営者らはそのような不法就労を助長したとして逮捕されました。

この逮捕に違和感を覚える方は少なくないと思います。

確かに,労働の対価として利益を得ていますので,働いているといえばそのとおりです。
しかし,フリアコは一般的な就労とは異なり,純粋に安価に旅行を続けるための手段であって,旅行の一環ともいえます。また,ある種の宿泊形態の一つに過ぎないともいえます。

ですから,そもそも出入国管理法が想定している「就労」に当たらないという解釈もあり得ますし,取り締まる必要性をあまり感じません。

経営者側はともかくとして,観光客には法を犯している意識は全くなかったと思います。
違法だと言うのなら,せめて違法であることを周知徹底してから,それでも従わない場合に逮捕するという対応でも良かったのではないでしょうか。

もっとも,逮捕に至る経緯はよくわかりません。
また,情報が限られているのでわかりませんが,いろいろと悪質だったのかもしれません。
それならまだ理解できますが。

トランプ大統領

2016.11.11 [ 神村 岡 ]

なんだかんだ言ってもそうはならないだろうと思っていましたが,現実になってしまいました。

トランプ支持者の大部分は,経済的に苦しく希望が持てず,既存の政治やエリートに不満を持つ層で,大きな変革を求めてトランプを支持したようです。

州ごとの得票率を見ると,西海岸,東海岸一帯でヒラリーがトランプに圧勝しているのに対し,トランプはそれ以外の内陸部で圧倒的な強さを見せています。
また,同じ州の中でも,州都や大きな都市の周辺では内陸部でもヒラリーが勝ったりしていますが,大都市近郊以外ではトランプが圧勝しています。
面白いくらい対照的なのです。

この結果を見るだけでも,都市部と地方,富裕層とそれ以外の層との間の溝がいかに深いかがわかります。
格差が拡大し,貧困層は厳しい状況に置かれているのでしょう。

ですが,トランプの「政策」を見る限りそのような状況が改善するとも思えません。
それとも大胆な政策によって何かしら風穴が空いたりするのでしょうか。

まあよくわかりません。

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