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カジノの合法化

2014.11.12 [ 神村 岡 ]

最近,カジノの合法化に向けた動きがあります。

与党がカジノ法案を提出し,今国会での成立は見送られましたが,来年以降も審議されることになると思います。

カジノと言えば,数年前にマカオの巨大なカジノに行ったことがあります。
カジノ目当てで行ったわけではなく,マカオの世界遺産を見て,そのついでにシルクドソレイユのショーを見て,そのついでに同じホテル内にあった巨大なカジノを覗いてみたという次第です。

巨大さに圧倒されたためか,何となく怖くて手を出す気にはなれず,結局カジノでは何もせずじまいでした。
私自身はギャンブルはあまり好きではないようです。

これだけ公営のギャンブルが普及している状況で,ギャンブルは良くないからカジノは合法化すべきでないとは言いませんが,依存を防ぐための措置をとらずに無制限に認めると,カジノにお金をつぎ込んで経済的に破綻する人は間違いなく増えると思います。

仮に合法化するとしても,財産状況に応じてつぎ込める金額を制限するなど,経済的破綻を防ぐための対策とセットにする必要があると思います。

体を鍛えてテニスが強くなった。

2014.11.12 [ 小西 政広 ]

先日,大学時代のテニスサークルにOBとして参加して,テニスの試合をしてきました。

昨年も参加しましたが,若い力に負けてしまい,あまり勝った記憶はないのです。

が,今回は4戦全勝でした。

テニスなんてもうそんなうまくならないだろうと思って大して練習もしていないのですが,今年の1月からの筋力トレーニングによって,確かに最近テニスが上手くなったように感じていました。
実はこれまでスポーツのために筋力トレーニングをしたことはなかったので,筋力トレーニングによってスポーツのレベルが向上するということを感じたことはありませんでした。

見栄えを良くするためにトレーニングを始めたわけですが,思いがけない効用です。


失火の責任

2014.11.08 [ 神村 岡 ]

昨日、すすきので比較的大きな火事がありました。

原因はわかりませんが,狭い道路に面していたためなかなか消防車が入り込めず,鎮火まで相当な時間がかかったようです。


火事と言えば、「失火の責任に関する法律(失火責任法)」という法律があります。

この法律があることで、たとえ不注意で火事を起こして人に損害を与えてしまったとしても、基本的には損害賠償責任を負いません。


延焼した場合,個人では到底賠償しきれない莫大な損害額になることが多く,そのような非現実的な賠償責任を負わせないために作られた法律です。

いざ火事になったときの損害は,各自が自分の家について火災保険に入ることで対処すべきということになるでしょう。


しかし,失火なら全て免責されるわけではありません。


寝たばこなど,重大な過失があるとされる場合には,賠償責任は負わなければなりません。


また,賃貸住宅の入居者が失火を起こした場合,家主との賃貸借契約により,賃借人は家主に対して部屋を元の状態にして返す義務を負っていますので,契約に基づく損害賠償責任を負うことになります。


つまり,失火責任法があるため不法行為責任は負わないが,契約に基づく責任は負うということです。


賃貸物件に入居する際は,必ず火災保険に入るべきですね。


診断協会55周年

2014.11.08 [ 神村 岡 ]

先日,中小企業診断協会北海道の55周年記念交流会があり,新米診断士として参加してきました。当日は,診断協会内にいくつかある研究会の活動報告や事例発表,会員の表彰などの後に交流会という流れでした。


診断士の一人が言っていましたが,診断協会北海道の診断士の人数は、ここ10年で倍近く(約190名)になったそうです。


中小企業診断士の資格は知らない人も多いと思いますが,いざ何か資格を取ろうと思ったときに,結構上位に上がってくる人気のある資格のようです。


診断士はそれぞれ専門分野や強みをもっています。特定の業種に強い人,ITに強い人などさまざまです。また,なかなか個性的な方が多いとも思います。個人で診断士として独立している人もいれば,金融機関など企業内診断士として活躍している人もいます。


さて,私はまだ研究会に所属していなかったのですが,交流会の席で企業再生の研究会に入会することが決まりました。また,知的財産関係の研究会にも顔を出してみようと思います。


診断士仲間と切磋琢磨してやって行けたらと思っています。


自分が運転しなくても事故の責任を負うこともある

2014.11.05 [ 小西 政広 ]

通常,交通事故が起こったとき,運転手が事故の責任を負います。

しかしこの原則は自動車損害賠償保障法という法律によって,拡大されています。

この法律では,「運行供用者」という要件により,実際に自動車を運転していない人にも責任を負わせることが可能となるケースを認めています。

実際の判例では,

国道沿いで,周囲にフェンスや壁もなく,誰もが車両を容易に発見でき,自由に出入りできる民宿の駐車場に,夜間キーをつけたままドアロックもしないで停めていた車両が窃取され,事故を起こした場合に,車両保有者には車両の管理を怠った過失があり,窃取後近接した時間と場所において本件事故が発生していることから,車両保有者に運行供用者責任がある

と認められたケースがあります。

車を盗まれただけでも被害者といえるのに,さらにその犯人に交通事故を起こされ,怪我をする被害者がでたらその責任も負わなければならないとなると,たまったものではありません。

車両の保有者は,自分の目の届かないところで自分の車を危険な行為に使われないように,最低限の注意を尽くす必要があるということでしょう。


9:1の謎

2014.11.04 [ 齋藤 健太郎 ]

交差点などで車両同士の事故が起きた場合に,基本的に悪いのはどちらかというのがまず問題になりますが,その先に,もう一方の過失というものも問われます。いわゆる10ゼロの事案といえるかどうかです。

正確には,「過失相殺」といいます。

皆さんもご存じのとおり,双方が動いている事故だと,赤信号無視などの場合じゃなければ,全面的に片方が悪いということにはならず,もう一方にも過失が認められることが多々あります。

でも,私は9:1などの場合に果たして過失相殺を認めるべきだろうかという疑問をいつも持っています。
というのも,そのような事故は,片方に大きな過失があることが前提となっていて,その過失がなければ事故自体が生じなかったといえるからです。法定速度で普通に走行していた場合がほとんどですから,逆に,被害者側の「じゃあどうすれば避けられたのか?」という疑問にも答えられないはずです。実はこれは多くの人が抱いている感覚じゃないでしょうか。
非常に重い後遺症を負ったりした場合に,はっきりと落ち度といえるものは何もないにもかかわらず,もらえる損害が少なくなってしまうことになり,問題は大きくなります。

私の個人的な推測ではありますが,このような過失相殺が一般化したのは,保険会社同士の示談交渉が行われてきたことが大きく影響しているのではないでしょうか。常に逆の立場になりうる保険会社間の交渉では,事を納めるために一定の過失を認めるというのは十分に考えられます。

車を運転することがすでに過失なんだといわれれば仕方がないという気持ちになりますが,そこまで小さな過失を問うことにどれだけの意味があるのか再度考える必要なはないでしょうか?
少なくとも,それが交通事故の実務だから当然なんだという考えは正しいとは思えません。

ネット時代の想像力

2014.11.04 [ 齋藤 健太郎 ]

最近は,新聞を読むよりも,ネットでの情報の方が深く情報を得られたりすることもあります。もっと知りたいと思うと,意外と詳しい情報が得られたりすることもあり,情報収集には欠かせないツールです。
また,そもそも新聞だと出てこない情報もたくさんありますので,ネットなしに生活することはほぼ不可能です。

でも,最近思うのは,情報が多いということは,実は真実から遠ざかることもあるのではないかということです。
理由を適当に考えてみました。
一つ目は,情報といっても本当に真実のわずか一部を切り取っているに過ぎないということです。
いくら切れ端が増えたところで,全体像は見えません。

二つ目は,我々がネットで検索しているのは,興味・関心のある情報だけだということです。
逆に情報を与える方もそういう切り口で情報を提供しますので,実は多角的な視点では検討できていません。

三つ目は,デマが紛れ込むためにその情報の正確性が担保できないということです。結局は,あらゆる情報を信じられなくなり,価値は低下してしまいます。

では,ネット社会において,どうやって自分に必要な情報を得るべきなのか。
一を聞いて十を知るという言葉がありますが,少ない情報の中でもこの時代に何が起きているのかを理解していくためには,少ない固い情報から,事実を作り上げる力が必要なのではないでしょうか。
全てを知るというのは無理ですよね。
いくつかの重要かつ大きな視点をもって,想像力を働かせていくことの方がよほど真実に近づけるのではないか・・・そんなことを感じます。

弁護士の仕事も,調査によって証拠が沢山出てこないことも多々あります。
その場合に必要なのは,想像力を働かせて,いかに説得力のあるストーリーを裁判官に提示するかということです。
少ない事実であっても,それが全て一つの流れで説明できるときには,とても説得力のある話になります。
逆に一つ一つの証拠だけでは,ジグソーパズルのピースに過ぎませんが,足りないところを埋めていくと,全体の絵が見えてくる・・・たとえるとそんな感じでしょうか。
まさに弁護士の腕の見せ所ではないでしょうか。

危険運転致死傷罪

2014.11.01 [ 神村 岡 ]

先週の金曜日に,銭函のビーチでのひき逃げ事故の刑事裁判で,検察が訴因を過失致死傷罪から危険運転致死傷罪に変更したとのニュースが流れていました。


訴因というのは,ごく簡単に言うと刑事裁判の中で審理される,具体的にどのような犯行をしたのかという事実のことです。
過失致死傷罪から危険運転致死傷罪に訴因が変更されることで,危険運転致死傷罪の成否が審理されることになります。

自動車運転処罰法によると,過失運転致死傷罪(5条)が7年以下の懲役又は100万円以下の罰金であるのに対して,危険運転致死傷罪(2条)は1年以上の懲役です。1年以上ということは,最大で30年まであり得るので,かなりの違いになります。

起こしてしまった結果を考えると,過失運転致死傷罪で7年までしか刑を言い渡せないというのは軽すぎるのかもしれません。

今回の検察の判断を動かしたのは約7万名分もの署名です。

危険運転致死傷罪は成立要件が狭く,その分立証も難しいのですが,検察としては署名を受けてギリギリの判断で訴因を変更したのではないでしょうか。


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