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複数の後遺障害の取扱い

2016.08.31 [ 小西 政広 ]

交通事故によって体の複数の箇所に後遺障害を負った場合,自動車損害賠償保障法上以下のように扱われます。

後遺障害が2つ以上あるときは,重い方の後遺障害の該当する等級による。しかし,下記に掲げる場合においては等級を次の通り繰り上げる。
①第13級以上に該当する後遺障害が2つ以上あるときは,重い方の後遺障害の等級を1級繰上げる。(中略)
②第8級以上に該当する後遺障害が2つ以上あるときは,重い方の後遺障害の等級を2級繰上げる。
③第5級以上に該当する後遺障害が2つ以上あるときは,重い方の後遺障害の等級を3級繰上げる。

このように扱われていることから,場合によって不公正不適正であると思われる事態が起こります。

例えば12級に該当するような後遺障害が体の様々な部位に多発的に生じた場合でも,11級にしかなりません。

後遺障害の評価は,基本的には労働能力の喪失がどれだけ生じるのか,という観点から評価されるものですが,同じ程度労働能力を失わせると考えられている後遺障害が2つ残った人と5つ残った人とで労働能力に差はないと評価されてしまうということです。

このような不適正な事態は裁判によってのみ是正され得ます。

交通事故・保険会社側提出の意見書について

2016.08.29 [ 齋藤 健太郎 ]

交通事故の事件で訴えを起こすと,保険会社の顧問医の意見書が出てくる場合があります。
特に医療的観点が問題になる事案では,ほとんどの場合提出されます。

しかし,その意見書の中には保険会社に有利に働くことを目的にしているのではないかと感じる不合理なものが散見されます。
何件も事件をやっていると,大体意見書を出してくる医師の名前も固定化してきます。
保険会社がお金を出して作っている会社に所属している医師の場合も多いです。

いろいろな意見があるということは大切なことなので,それはそれでいいと思います。
しかし,このような医師が保険会社から依頼されたときに「実はこれは事故によるものと考えてもおかしくない」と考えることは一度もないのでしょうか?
そのような公平な目で,保険会社に意見を述べているのでしょうか?

とはいっても,実は保険会社側が提出した意見書は,被害者側にとっても意外と有利な立証材料になることも多いので,私にとっては必ずしも嫌なものではないんですけどね。
意見書の不合理さをしっかりと叩いていくのが我々の仕事というわけです。

北海道マラソン・・・初収容!

2016.08.29 [ 齋藤 健太郎 ]

皆様,マラソンから引退して丁度1年を迎えますが,その記念日にマラソンしてきました。

実は,まだ復帰できるのではないかと淡い期待を抱いていた頃に,うっかりエントリーしていたのです・・。
その後,結局全く練習できないままでしたので,出る気はなかったのですが,何人か友達も出場することもあり,なんだか楽しいイベントに参加という気分で出ることになりました。

両親や妻からは何を考えているかわからないと反対され,批難され,蔑まれましたが,そんなのに負けるわけにはいきません。
私には私のマラソン人生があるのですから。

では,この1年間の齋藤健太郎選手の涙ぐましい努力をおさらいしてみましょう。
若干前後しているかもしれませんが。

脚〜股関節〜腰に継続する痛み
4時間切りを威勢良く宣言,24時間のジムにも入会
MRIで発狂寸前になりながら椎間板ヘルニアと診断,引退を覚悟
股関節唇損傷とも診断され,引退をほぼ決意

その後,エントリーしていた豊平川マラソン,美瑛マラソンを見事に見送り,満を持して北海道マラソンへ突入しました。

結果,18kmまでは走りましたが,両手の小指あたりがシビレ始めたので,さすがにまずいかなと思って,そこから2kmは歩いて,20kmの関門不通過。
なんだかよくわからない足の痛みと暑さで頭がおかしくなりそうでしたが,「第二次世界大戦の日本兵はもっともっと苦しかったんだ!」とか思って頑張りました・・・。
まあ,ほとんど歩いているようなものでしたが。

初めて体験しましたが,時間切れになると後ろから車が来て,
「関門閉鎖してますから,歩道に上がってください!」
といわれて,近くのバスに乗せられます。
バスの座席には汗で座席が汚れないようにバスタオルが敷かれていました。

さて,来年は参加するのでしょうか???

不発弾の処理費用

2016.08.26 [ 神村 岡 ]

不発弾の処理を巡って,土地所有者が処理費用の返金を求めて市を相手に提訴したというニュースがありました。

原告の土地から発見された不発弾の処理には,爆発に備えた土嚢の設置や警備などの費用を含め,5百万円超の費用がかかったようで,それを土地所有者である原告が支払ったそうです。たまたま土地に不発弾が埋まっていたためにこれだけの費用を負担しなければならないというのは,土地の所有者にとって酷なように思います。

また,不発弾の処理費用を誰が負担するかについては,特に法令で定めがあるわけではなく,自治体によって,自治体が全て負担するところ,所有者が全て負担するところなどばらばらで,統一的なルールがあるわけではないようです。

今回の裁判の結論がどのようになるかはわかりませんが,費用負担のあるべき形を検討し,立法によって根本的な解決が図られるべきではないかと思います。


ワンセグ携帯のNHK受信料

2016.08.26 [ 神村 岡 ]

テレビを見ることができるワンセグ機能付きの携帯電話を所持している人がNHKの受信料支払い義務を負うかが争われた訴訟で,さいたま地裁は今日,支払義務はないとの判断を示しました。

今後控訴審での審理に移る可能性もありますが,この判断が確定すれば,普通のテレビを持たずワンセグ携帯のみを持っているがこれまでNHKの請求に応じて受信料を支払ってきたという方は,返金を求めることもできるでしょう。

判断のポイントはどこにあるのでしょうか。

放送法64条1項は,「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は,」受信契約をしなければならないと定めています。
この,「受信設備を設置した者」に,テレビは持っていないがワンセグ携帯を所有している人が含まれるかどうかというところが大きなポイントになりました。
裁判所は,携帯電話を持っているだけでは,さすがに「設置した」とは言えないだろうという判断を示しました。

あくまで法律の文言上無理があるという話ですので,条文が改正され,携帯電話で見ることのできる人も含めるような文言になった場合は,是非はともかく,結論は変わってくるのでしょう。

薬の名前

2016.08.22 [ 齋藤 健太郎 ]

医療事件をやっていると,薬の名前を結構覚えるようになります。

結構お気に入りの名前の薬というのがあって,なんだか語感がいいとか,語呂がいいとか色々とあります。
市販薬だといかにもというのありますよね。「ストッパ」とか・・・「キャベジン」とか・・・。

たとえば・・・
クラリス 抗生剤ですが,素敵なお名前です。
リリカ これまた素敵なお名前です。付き合えるような気がします。
クロピドグレル 抗血小板薬です。なんかいい響きですが,ちょい悪な感じも。
ドンペリドン 吐き気止めですが,なんか高いお酒のような,イタリアのマフィアのような・・・。
プリンペラン これも吐き気止めです。なんかプリプリでペラペラな軽い感じが忘れられない。
デカドロン なんだか呪文のようです。
タココンブ 海産物のようですが,組織接着のためのシールみたいなもののようです。
ヨーデル 下剤・・・説明不要。
ドルミカム ほんとかどうか知りませんが,ドリーム・カムから来ているとか・・・。

いわゆるジェネリックの名前がたまに面白いときがあるようですが,実際には厚労省が医療事故を起こさないような名前にするように指導しているようですねえ。

まあ,こんなことは事件とは何の関係もありませんが・・・。

夏の終わりですかね・・・

2016.08.22 [ 齋藤 健太郎 ]

まだまだ暑い日が続きますが,そろそろ夏も終わりでしょうかね。

今年は,雨ばっかりでうんざりでしたが,子ども達をそれなりに連れ出して遊べたかなと思います。

お祭りで金魚をもらってきたあの日・・・。
航空祭で自衛隊のブルーインパルスを初めて見て感動したあの日・・・。
水道記念館の噴水で水浸しになったあの日・・・。
思いつきで無理矢理キャンプにでかけて,バーベキューセットのガスボンベを忘れて妻にキレられたあの日・・・。
西野にクワガタ取りに行ったけど,ヒグマ注意の看板が怖くて,クワガタ取りどころじゃなくてすぐ帰ったあの日・・。
豊平側の花火を見ようと思ったのに,のんびりご飯を食べてしまい,ほとんど見られずに終わったあの日・・・。

どれもこれも忘れられない思い出です。
子ども達の心にも深く刻まれていることでしょう。

子ども達も今日から幼稚園が再開しました。
幼稚園では,早速,夏の思い出の絵を描いたとのこと。

下の息子4歳に,どんな夏の思い出を書いたのか妻が聞いたところ
「沖縄の海で貝殻拾ったこと!」
と答えたとか。

それ夏じゃなくて春のことですから・・・。

サファリパーク事故

2016.08.19 [ 神村 岡 ]

群馬のサファリパークで,従業員が車に乗って移動中にクマに襲われて死亡するという痛ましい事件がありました。

クマは車の窓に取り付けられていたパイプをもぎとって車内に侵入したようです。

襲われた従業員の遺族には,亡くなったことについて労災からの年金等の支給があるでしょう。

また,運営会社に落ち度があったために今回の事件が発生したといえる場合には,労災では保障されない損害部分について,会社に賠償責任が生じます。

それでは,今回の事故について会社に落ち度があったのでしょうか。

報道によると,被害に遭った従業員が乗っていた車には,窓に直径2cmのパイプが横に1本ねじ止めで取り付けられていたということです。動物から襲われることを想定した場合に,そのような対策で十分だったといえるかが大きなポイントでしょう。

その点を判断する上で参考になり得るのが,他のサファリパークではどのような対策をしていたかですが,他のサファリパークの中には,車の窓には鉄格子を溶接で取り付けているというところもあります。そのような装備と比べると,群馬のサファリパークの装備は見劣りしてしまいます。
また,現にクマによってパイプが壊されてしまっていることも踏まえると,会社に落ち度がなかったというのは難しいように思います。

交通事故に関するマニアックな知識①

2016.08.17 [ 小西 政広 ]

自賠責保険は,強制保険で,後遺障害の無い傷害に関する損害賠償は120万円を限度とし,

人身損害に限られる

というものです。

ですから皆さん,自賠責保険の他に,任意保険として,対人対物無制限の自動車保険に入るわけですが,

この人身損害,メガネや衣服などの身につけているものについては,身体に準ずるものとして,自賠責保険の適用がされることとなります。

この知識を使うことは,日常業務上なかなかないのでマニアック知識です。

錦織対マレー、錦織対ナダル雑感

2016.08.15 [ 齋藤 健太郎 ]

最近はテニスの試合をテレビで観ることもなかったのですが、マレー戦とナダル戦はいずれも全部観戦しました。
眠い目をこすりながら観ました。せっかくなのでコメントします。

マレー戦はミスが多かったと言われていますが、実際にはマレーの球筋との相性の悪さが目立った気がします。フラット気味に打ち込んで来るショットはあのハードコートではかなり伸びてる感じでしたね。錦織の早いタイミングで打ち込むショットもマレー戦ではミスになりやすかったのではないでしょうか。
ここぞというところの勝負強さもマレーにはあった気がします。
全盛期のフェデラーみたいなすごさはありませんが、やはり世界2位ですね。

一方でナダル戦は高い打点で早いタイミングで打ち込むショットが完全にはまってましたね〜。我々がナダルの球を受けたら多分頭の上を通り過ぎてしまうくらいの強烈なスピンショットだと思うのですが、がっちり打ち込んでましたね。
あと1ゲームというところから、メダルを意識したのか流れが変わってしまって、そのまま第2セットを落としたときにはもうダメかと思いました。
長めのトイレ休憩のあとはすっかりリズムを取り戻しましたね。ナダルがすごいクレームつけてました。
そこから巻き返して勝ったのはほんとにすごい。
どうせなら早く勝ってくれれば2時間早く寝られたのですが勝ったのでまあいっか。

それにしてもマレーもナダルも審判へのクレームがすごかったですね。
とりあえず主張するってのが日本人には良くも悪くも欠けているのでしょう。

今日は早く寝よう・・・。

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