トップページ > 弁護士BLOG > 神村 岡弁護士

神村 岡弁護士ブログ

おもてなし

2014.07.12 [ 神村 岡 ]

先週に引き続き,ローエイシアの国際会議の話です。

今回のローエイシアの会議は札幌で開催されましたので,私を含め札幌弁護士会の国際室のメンバーが準備や運営の一部を担いました。

私が主に関わったのは,2日目にサッポロビール園で開かれたディナーパーティーの準備と運営です。

国際会議のパーティー特有の問題として大きかったのは,ベジタリアンやムスリムが一定数いるためメニューに配慮しなければならないという点でした。

そもそも会場にサッポロビール園を選んだこともあり,基本的にはジンギスカン鍋を囲んで肉や野菜を焼いてもらうことになりますが,ベジタリアンには肉を焼いた鍋で食べてもらうわけにもいかないため,ベジタリアン用の席を用意し,メニューの選択肢を増やしました。
また,ムスリムの中にはラマダン中の人もおり,同じテーブルで酒が提供されているとアウトなので,ラマダン用の席も設けたりしました。

会議への国内外からの参加者は合計で150名ほどに及んだため,120名が入るビール園の個室で収まりきらなくなるというハプニングもありましたが,外国からの参加者には優先的に個室を使ってもらうなどした結果,個室の外は外で自由にやるということで上手く収まりました。

その他,会議が開催されていた会場からディナーパーティー会場への往復のバス・タクシーの手配,会場への参加者の誘導などの細々とした準備も行いました。

国際会議のディナーパーティーは,ホテルでコース料理が出てくるという形式が多く,サッポロビール園でジンギスカンという選択はかなり冒険でしたが,ワイルドな感じのパーティーもまたよしということで概ね満足していただけたようです。

ディナーバーティーの他にも,会議の会場設営,参加者の受付,通訳の手配,同時通訳機の配布,休憩時に提供するお菓子やお茶の用意,オプショナルツアーの企画・運営など様々な仕事があり,国際室のメンバーが手分けして担当しました。

そのような努力の甲斐があったのか,そもそも札幌という都市に好印象を持っていただいたからなのかはわかりませんが,今回の会議の運営は概ね好評で,会議終了後に様々な方からお褒めの言葉をいただきました。

日本流のいわゆる「おもてなし」を多少なりとも実践できたように思います。


集団的自衛権

2014.07.06 [ 神村 岡 ]

先日,閣議決定による憲法9条の解釈変更によって,集団的自衛権が行使可能とされました。

内閣に憲法の解釈権があるわけではないので,閣議決定に何か法的な効力があるわけではありません。

したがって,先日の閣議決定は,政府としての意思表示に過ぎないということになりますが,実際にこれから集団的自衛権を行使する可能性が出てきた以上,当然ですが実際には大きな意味をもちます。

今後,集団的自衛権の行使に関わる法案が成立し,実際に集団的自衛権が行使されると,集団的自衛権の合憲性を争う訴訟が提起され,司法の判断が示されることになるでしょう。

なお,日本において司法の判断の対象になるのは,具体的に国民の憲法上の権利が侵害された場合であって,具体的な国民の権利侵害を離れて,法律が合憲なのかどうかということを直接裁判所で争うことはできないことになっています。

そのため,集団的自衛権の行使についての法律が成立したとしても,実際にその法律に基づいた具体的な動きが出てくる段階にならないと,集団的自衛権の合憲性についての司法の判断が示されることはありません。

個別的自衛権と異なり,集団的自衛権の行使には,どの国への攻撃について自衛権を行使するのか,自衛権行使の対象とする国について,他国に出兵することもあり得る中でどの範囲を「自衛」とするのかなど,いろいろと判断しなければならないことがあり,その分判断者の恣意が働く余地があります。

集団的自衛権の行使の仕方によっては,簡単に戦争の当事国になってしまいかねないと思います。

ローエイシア家族法と子どもの権利に関する国際会議

2014.07.05 [ 神村 岡 ]

7月3日から5日にかけてのスケジュールで,ローエイシアというアジア太平洋地域の法律家の団体が主催する国際会議が札幌で開催されています。

今回の会議のテーマは家族法や子供の権利で,アジアや太平洋地域の各国の法律家が様々な内容の公演やパネルディスカッションを行っています。ハーグ条約(子供が国境を越えて配偶者の一方に連れ去られた場合に元の国に返還するための手続きなどに関する条約)についてのシンポジウムも同時に開催されています。

その道の第一人者の話を聞くことは,やはり大いに刺激になります。

会議は基本的には英語です。
4日と5日は同時通訳がつきますが,3日は完全に英語で,日本の弁護士による解説講義が別途設けられていました。

私は,札幌弁護士会の国際室の室員として,この会議の実行委員会の一員になっていますので,会場の設営や会議への参加者の誘導など,会議の裏方を担っています。

私は英語はまだ片言しか話せませんが,伝えようとすると何とかなるものですね。
少しは役に立てているのではないかと思います。

明日(今日)は最終日です。
ハーグ条約がらみの模擬調停なども行われるようで楽しみです。


司法取引

2014.06.28 [ 神村 岡 ]

刑事事件の被疑者が捜査に協力した見返りにその罪を軽くしたりする,いわゆる司法取引が,制度化される可能性が高くなってきたようです。

これまで,司法取引は認められてきませんでした。
それは,無関係の者を共犯者として巻き込んで自分の罪を軽くしようとするなど,事実がゆがめられてしまう可能性があるためです。

司法取引の制度化が動き出したのは,取り調べの可視化と関係があると思います。
取り調べの可視化とは,取り調べの様子を録音・録画することで,後から取り調べ状況を検証することを可能にするものです。
そして,取り調べの可視化によって,これまでは秘密裏に行われてきた司法取引を,隠れて行うことができなくなり,正面から司法取引を認める必要性が出てきたということではないかと思います。

いずれにしても,事実が歪められかねないという司法取引の弊害に注意していく必要があります。

チカホ法律相談

2014.06.22 [ 神村 岡 ]

札幌駅から大通公園まで繋がる地下歩行空間を「チ・カ・ホ」と言いますが,今日,そのチカホで,札幌弁護士会が主催する無料法律相談会の相談を担当してきました。

私の担当は,午前10時から正午までの2時間でした。

「チカホ法律相談」は過去に何度か開催されており,前回までは事前に相当な広告が行われていましたが,今回は事前の広告はあまり行われなかったそうです。

そのためか,2時間の担当で,最初の1時間はお一人しか相談を受けませんでしたが,後半1時間は4名の相談を担当しました。

皆さん完全に通りすがりの方々で,ちょっと気になっていることがあるということで立ち寄られ,10分〜15分ですっきりして行かれました。

5名の方の相談を担当することになり,弁護士に相談に行くまではしないが悩んでいることがあるという方は,思いのほかいらっしゃるんだなと感じました。

昔から弁護士は敷居が高いと言われますが,我々弁護士は,その敷居を下げるための努力をこれからもしていく必要があるようです。

さっぽろ祭り

2014.06.21 [ 神村 岡 ]

先週末,中島公園で開催されたさっぽろ祭りに息子と二人で行ってきました。

公園の中に屋台がずらっと並び,お化け屋敷などのいわゆる見世物小屋も毎年恒例のものが出ていました。

当日はあいにくの雨で,中島公園について間もなく降り始め,そのうち土砂降りになりました。

傘を片手に持ち,おそらく13キロくらいの息子をもう片方の腕でだっこして歩くことになり,腕力が持たずあまりいろいろ見て回ることができませんでしたが,雨宿りと腕休めがてら,見世物小屋の内,バイクサーカスの小屋に入りました。

バイクサーカスの小屋は,ほとんど全て木造で,中心部が4,5メートルの高さの木の壁に円く囲まれて円筒状になっています。そして,その円筒の上端の周りを囲むように観客席が設けられています。

バイクは,その円筒の内側を遠心力によって真横に傾いた状態でぐるぐる回り,観客が上から差し出したお金(紙幣)を上端ぎりぎりまで行ってつかんだりします。

初めて見ましたのでなかなか面白かったです。

面白いのと同時に,バイクが円筒の上端をはみ出したら大惨事になるななどと思いながら見ていましたが,ライダーはきっと絶対にミスをしないといえるくらい熟達しているのでしょう。
すごいねぇなどと月並みなことを言いながら見ていました。

祭りの最後はチョコばななで締めました。

国民投票法改正

2014.06.14 [ 神村 岡 ]

今日,国会で,改正国民投票法が成立しました。

憲法改正のための国民投票の具体的な手続を定め,投票年齢を4年後に20歳から18歳に下げるという内容です。

憲法96条には憲法改正の手続が定められていますが,そのために必要な国民投票について具体的に定めた法律がこれまでなかったため,今回の改正で初めて憲法改正のための手続が整ったことになります。

また,投票年齢が20歳から18歳に引き下げられました。

なぜ国政選挙の投票権が20歳以上なのに,憲法改正の国民投票だけ18歳なのでしょうか。

政府によると,若い世代にもしっかり議論して欲しいからとのことです。

確かに,18歳ともなれば憲法のあり方を考えることはできるでしょうから,投票年齢を18歳とすること自体には異論はありません。

しかし,若い世代であればあるほど,戦争から遠い世代であり,憲法9条を改正することに抵抗が薄いのではないかと思います。

したがって,結果的には,投票年齢を18歳に下げることで,9条を含む憲法改正が国民投票で承認される可能性が高くなります。
ですから,これも憲法改正のための布石に過ぎないように思えて仕方ありません。

いずれ憲法改正が発議されるときが来ると思います。
そのとき,国民的な議論がしっかり盛り上がるように努めるのも,我々弁護士の大事な仕事だと思います。

会見拒否の理由

2014.06.06 [ 神村 岡 ]

横綱の白鵬が,先場所での優勝の翌日に恒例の記者会見を理由も言わずにキャンセルしていた件で,白鵬自身の口から理由が語られました。

白鵬の奥さんは第4子を妊娠していましたが,先場所中に流産してしまい,白鵬は先場所の13日目にそのことを知ったそうです。そして,もし記者会見に出れば第4子のことを聞かれていただろうし,奥さんの心情を考えると記者会見で流産の事実を明らかにするのは早すぎるし,かといって嘘をつくこともできないという葛藤の末,理由を告げずに会見をキャンセルしたそうです。

白鵬が会見をキャンセルすることはこれまでなかったので,何か理由があるのだろうとは思っていましたが,真実を知ってとても腑に落ちましたし,何かとても清々しい気持ちになりました。

一時的に批判されることを分かった上で,これしかないという適切な対応をしたのだと思います。


今回の白鵬の会見拒否のように,同じ出来事が,背景事情や経緯を知ることで全く異なるように見えることがあり,これは弁護士の業務にも通じるところがあります。

裁判でいかに説得的に主張・立証するかは,いかに必要な事実を拾い集めて主張・立証できるかにかかっていることが多いです。

また,裁判所に書面を提出する際は,裁判官がそれを読んでどのような印象を持つかを考えることがとても重要になります。

ただ,裁判官にはそれぞれ個性がありますから,提出した書面に対して予想外の反応を示されることがあります。

このあたりは弁護士業務の面白いところであり,難しいところでもあります。

ジンパ復活

2014.05.31 [ 神村 岡 ]

昨年禁止されていた北大のジンパ(ジンギスカンパーティー)が,先日から復活したようです。

ジンパは北大の名物の一つと言っても良いものだと思いますが,芝生が痛むことやマナーの悪さなどが問題視され,昨年は禁止されていました(火器使用禁止により,事実上できなかったようです)。

しかし,学生の有志が大学側と交渉を重ねた結果,半数は北大生にする,事前に申し込み責任者を決めるなどの条件を付けて,1年ぶりに認められたとのことです。

私も北大のロースクールに所属していたときは,ロースクールの自習室がある建物(ロースクール生からは「プレハブ」と呼ばれていました)に近い芝生の上で,夏にジンパをしたものです。

からっと晴れた日に,芝生の上で,ビールを片手に食べるジンギスカンは格別でした。

逆に,勉強中に自習室の窓を開けているとジンギスカンを焼くにおいが漂ってくるということもありました。これもロースクール時代の良い思い出です。

1年間中断されてしまいましたが,ルールができたことはとても良いことだと思います。また,粘り強く交渉した学生有志,柔軟な対応を見せた大学側双方ともに素晴らしいと思います。

今後も是非続いていって欲しいものです。

山の日

2014.05.24 [ 神村 岡 ]

23日に改正祝日法が成立し,8月11日が「山の日」の祝日とされました。

普段意識することはありませんが,祝日は実はちゃんと法律で定められているのですね。

新たに祝日が増えるというのは,調べてみたら1996年の海の日以来のようです。その頃私は中学生でしたから,それを考えると相当久しぶりという感じがします。

8月11日というと,ちょうどお盆の頃ですね。お盆と一緒に休日として,登山などの行楽に行くことが想定されているようです。

登山と言えば,私は修習生時代には,修習仲間と何度か行きました。登山に慣れた仲間がいたので,それなりに高い山も含めて安心して登れたものです。逆にそういった条件が整わないと,なかなか足が向きません。弁護士になってからは,登りたい気持ちはあるものの一度だけしか登っていません。

今年はせっかく山の日が制定されましたので,是非一度は登山に行きたいと思っています。

ところで,山の日は偶然にも息子の誕生日です。
将来は山好きな男になるのでしょうか。

是非一緒に登りたいところですが,今年の山の日ではまだ3歳なので,まだまだ自分で登るのは厳しいです。かといって,おんぶして登るとなるとこちらの体力に自信がありません。それなりに重いので。

一緒に登山するには難しい年頃ですね。

<  | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 

ページ上部へ