トップページ > 弁護士BLOG > 神村 岡弁護士

神村 岡弁護士ブログ

診断協会に入会しました

2014.05.16 [ 神村 岡 ]

先日,中小企業診断協会北海道に入会しました。

診断協会は,中小企業診断士の任意加入団体で,診断士同士の交流,研鑽,各種研究や会員診断士に対する業務上の支援を行っている団体です。
強制加入である弁護士会とは異なり,任意加入ですので,全ての診断士が加入しているわけではありません。ですが,診断士として活動している方の大半は加入していると思われます。

診断協会に加入して,昨日は早速会員向けのセミナーに参加してきました。
内容は,よろず支援拠点という今年から新設される中小企業支援拠点についての説明でした。
よろず支援拠点というのは,中小企業に対して経営支援や適切な専門家の紹介などを行う公的な機関で,来月から各都道府県でスタートすることになっています。
困っているけど誰に相談したら良いのかわからないという中小企業にとっては頼れる存在になるかもしれません。

セミナーの後は,診断士同士の懇親会に参加してきました。
前月に新規会員のための歓迎会が開かれたようですが,私は少し入会が遅れてしまったため,歓迎会に参加することができませんでした。ですので,初めて見る顔がほとんどでした。

診断士はそれぞれ得意分野があり,個性的ですので,診断士仲間との交流はなかなか面白いものです。勉強にもなります。

先輩診断士と交流したことで,今後も診断士としても研鑽を積んでいきたいと改めて思いました。

英語学習をしています

2014.05.11 [ 神村 岡 ]

ここ数ヶ月間、通信教材を使って英語の学習をしています。

通信教材のCDを主に通勤途中に聞いていて、短時間でもほぼ毎日聞いていますので、徐々にヒアリング能力は向上しているようです。また、同時にアウトプットについても平行して練習しています。

英語の学習を思い立った理由は、主には英語を必要とする業務に対応できるようになりたかったためです。
また、学生時代にかなりの時間を英語の勉強に費やしたにもかかわらず、結局英語を使えないでいるというのはもったいないという思いも以前からありました。

本年4月からは、札幌弁護士会の国際室という委員会に所属し、弁護士会が行う国際的な活動に関わらせてもらっています。

7月3日から、ローエイシアというアジア太平洋地域の法律家で構成された団体の年に1回の会議が札幌で開催されます。今回の会議のテーマは家族法と子供の権利です。

私も実行委員となっており、多少なりとも英語を使用する機会はあるかと思いますので、まずはそこを目標にレベルアップしていきたいです。

ホームセンターの差別化戦略

2014.05.09 [ 神村 岡 ]

先日、「ガイアの夜明け」というテレビ番組で、ホームセンターの差別化戦略が取り上げられていました。

1社目は、女性向けの品揃えを売りにしたホームセンターです。
ホームセンターというと、あまりオシャレなイメージはなく、基本的には男性客の方が多いと思います。
そのようなイメージを覆すように、オシャレな海外有名ブランドの商品を揃えるなど、女性をターゲットにした品揃えにしたところ、狙い通り女性の客が増え、客からの評判もよいということでした。

2社目は、規模が差別化になっているというパターンです。
売り場面積と品揃えが他社の追随を許さないほど充実しており、ここにくれば何でも見つかるという信頼を客から勝ち得ているようです。
また、独自の商品開発にも余念がなく、魅力的な商品を次々に発信しているようです。

3社目は、プロを対象にしたホームセンターです。
主に建設業などのプロを対象にした品揃え、サービスを提供し、プロの需要をしっかりつかんでいるようです。
また、プロの客は店のきれいさなどはあまり気にしないため、内装にお金をかけず、工場や他の商業施設を居抜きで購入(内装や建物に付属した設備などを残したまま購入すること)して最低限の改装を加えることで、設備投資を安く抑えるといった工夫もしているとのことでした。逆に、余分なところにお金をかけていないということでプロの客から好印象をもたれているようです。

いずれの企業も、ホームセンターが各種専門店(家電量販店、自動車用品店、スーパーなど)に値段では太刀打ちできず、ホームセンター業界全般の経営が苦しくなっている中で、何とか打開策を見いだそうとしています。

経営環境の変化に対応してどのような戦略をとるべきかということについて、一つの好例を示してくれていると思いました。


風営法によるダンス規制

2014.05.04 [ 神村 岡 ]

5月3日が憲法記念日でしたので,憲法が保障する基本的人権に関わるニュースを紹介したいと思います。

先日,客にダンスをさせる営業を無許可でしたとして風営法違反に問われたクラブの経営者の刑事裁判で,無罪判決が言い渡されました。


記事によれば,無罪判決を言い渡した大阪地裁は,問題となったクラブの経営が風営法が定める「風俗営業」には当たらないと判断したようです。


風営法は,いくつかの営業形態を「風俗営業」と定め,その営業を行うには許可が必要だと規定しています。
風営法上の「風俗営業」には,「ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業」という営業形態が含まれ,今回問題となったクラブはこれに当たるとして摘発されたのです。

このような風営法の規制は,営業をする自由を制限するものですから,憲法22条が保障する職業選択の自由を制限しています。また,客によるダンスという一種の表現行為をも間接的に制限しますから,憲法21条が保障する表現の自由をも制限します。

憲法が保障する自由を法律で制限するためには,目的が合理的であることや,制限が過度でないことなどが必要です。そうでなければ,法律は憲法に違反しているということになるのです。

ダンス営業を規制する風営法の規定も,それが一律にダンス営業を規制するものであれば,裁判所が憲法違反と判断することもありえたかと思います。

しかし,今回の事件では,裁判所は,風営法上の「風俗営業」は「性風俗の乱れにつながる恐れが実質的にに認められる営業に限られる」と判断し,風営法の規制対象自体を一定程度限定する解釈を示しました。

これによって,風営法が憲法違反にならないようにしたということもできます。

その上で,今回問題となったクラブの営業は,性風俗の乱れをもたらすような営業ではなく,「風俗営業」には当たらないと判断したのです。


今回は無罪という結論になりましたが,「踊らせ方」によっては「風俗営業」に当たると判断されることになります。

しかし,今回の無罪判決によって,近年クラブの取締りを不可解なほどに強化してきた警察の姿勢は改めざるをえないことになるでしょう。

支払督促について

2014.05.03 [ 神村 岡 ]

支払督促という制度があります。

これは,金銭の支払いを求める場合などに,債務者の住所地を管轄する簡易裁判所に書面で申し立てることで,裁判所に出頭せずに支払督促(支払命令のようなもの)を出してもらうことができるという制度です。

更に,支払督促が出た後,2週間以内に債務者から異議が出なければ,裁判所は支払督促に仮執行宣言(支払督促に基づいて仮に強制執行することができる)を付すことになり,これが出ると,債権者は強制執行ができる状態になります。

ただし,債務者からの異議が出た場合には通常の訴訟手続に移行することになり,この場合債権者は債務者の住所地を管轄する裁判所に出向かなければならなくなります。

管轄裁判所のことを考えると,債務者がしっかり対応してきそうな場合には,最初から通常の訴訟を起こした方がよい場合もあるということになります(通常の訴訟であれば,基本的に債権者は自分の住所地に訴訟を起こすことができますので)。

支払督促が判決と大きく異なる点は,支払督促には判決のような既判力がないということです。

既判力とは,大まかに言うと,一度訴訟で争って結論が出た事項については,再び争うことはできないという効力です。

この既判力があることで,紛争の蒸し返しが防がれ,裁判が意味のあるものになるということができます。

支払督促には既判力がありませんから,仮に支払督促が出て,更には仮執行宣言が付されていつでも強制執行可能な状態になったとしても,債務者は債権の存在を争うことができます。

ですから,支払督促が出てから2週間が経過してしまっても,まだ強制執行がされていないうちは何とかなる場合もあるのです。


父子関係とDNA鑑定

2014.04.26 [ 神村 岡 ]

離婚した女性と子供が元夫との父子関係の取消を求めた裁判で,DNA鑑定の結果を重視して取消を認めた高等裁判所の判決が,最高裁で覆るかもしれません。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140424-00050212-yom-soci

この事件では,DNA鑑定上は元夫と子供との間に血のつながりはないことが明らかになっていますから,血のつながりをもって親子だとするのであれば,高等裁判所の判決のように,父子関係は取り消すべきということになるでしょう。

しかし,民法上,婚姻中の女性が妊娠した子供は,夫の子と推定されることになっています。したがって,仮に血のつながりがなくとも,法的には夫は父親と推定されます。

もっとも,あくまで夫の子と推定されるだけですので,夫は嫡出(夫婦の間に生まれたというような意味です)否認の訴えを起こして認められれば父子関係がないことになります。

また,夫が父子関係の不存在を認めず,母や子の側が父子関係を否定したい場合には,親子関係不存在確認の訴えを提起することになります。
これが今回の訴訟です。

そして,最高裁で覆るかもしれないというのがなぜかというと,最高裁で弁論(法廷で当事者双方が主張を行うための手続きのこと)が開かれることが決まったからです。

弁論が開かれるとどうして高裁判決が覆るかもしれないのかというと,最高裁は通常,高裁判決をそのまま維持しようとする場合には弁論は開かないものだからです。弁論が開かれるということは,最高裁が高裁の判断に何らかの問題があると考えているということを意味するのです。

そして,今回についていえば,DNA鑑定で血のつながりがないことがはっきりした以上父子関係は取り消すという高裁の判断について,最高裁が問題があると考えていることになります。

それではどのような結果になるのでしょうか。

ここからは,事案の詳細を知らない上での推測になりますが,最高裁は,DNA鑑定だけで結論を出さずに,取り消すことによる不利益などをもっと調べなさいという結論を出して,審理を高裁に差し戻すのではないでしょうか。

いずれにしても,法律家にとってはかなり注目度の高い判断になります。

教師でもあり,親でもあり

2014.04.24 [ 神村 岡 ]

先日,1年生の担任となる高校の先生が,他の高校に入学した自分の子供の入学式に出席するために,担任となる高校の入学式を欠席したというニュースがあり,少し話題になっていました。


新入生の担任となる先生が入学式を欠席するなんてあり得ないという,かなり批判的な意見が出る一方で,理解できるという意見も多く,面白い議論になっているなと思いました。

仕事を休んで自分の子供の入学式に出るというのは,親としてごく一般的なことだと思います。教師であるというだけでこのような批判が出たのは,教師は特別な職責を負っている職業で,業務を最優先すべきだという見方があるからでしょう。

確かに,教師の仕事である児童・若者の教育というのは重要な仕事だと思います。そして,伝統的に,教師は「尊敬されるべき存在」であったのではないでしょうか。

しかし,だからといって,教師は自分の子供の入学式を優先してはならないということにはならないように思います。

親にとって,子供の入学式は一度しかありません。ですから,自分の子供の入学式に出たいという気持ちは尊重されるべきだと思います。

担任の先生が入学式を欠席して,新入生はあれっと思うかもしれませんが,翌日顔を合わせて普通に学校生活がスタートするでしょう。入学式に欠席することで特段問題が生じるとは思えません。

あるいは業務に対する姿勢の問題ということかもしれませんが,いずれの入学式を優先するかは個人の価値観の範疇の問題ではないでしょうか。

弁護士の業務においては,裁判を含めて日程調整は結構融通が利きますので,だいたい予定を入れたくない日には予定を入れないでおくことができます。そのため,自分自身は業務と子供の行事のどちらをとるかという問題に直面する可能性は低そうです。

しかし,全国的な大会が入ってしまったとか,その日に予定を入れないとかなり遅れてしまうとかいった事情があって子供の行事とかぶってしまう場合,どうするかは悩ましいですね。ケースバイケースで検討することになりそうです。

表現の自由と自治体

2014.04.21 [ 神村 岡 ]

今日の夜のニュースで,自治体がイベントなどへの協賛を断るケースが増えていると耳にしました。

例えば,集団的自衛権の行使や改憲の是非など,政治的に議論があるテーマについて特定の立場を表明するような団体の集会については,政治的中立性を疑われることのないよう,協賛の依頼があっても断るという話です。


協賛を断ったケースについて,「表現の自由を侵害していて憲法違反」だということはできないと思います。なぜなら,協賛するか否かは基本的には自治体が自由に判断するもので,元々住民に協賛を受ける権利が保障されているわけではないからです。

しかし,だからといって,世論が大きく割れているテーマについて協賛を控えるのが自治体のあるべき姿だとは思いません。

住民の表現の自由を保障し,様々な意見を表明することのできる健全な社会にするためには,たとえ世論が大きく割れているテーマであろうと,他のテーマと同様の基準で協賛すべきものには協賛するという姿勢が必要だと思います。

自治体としては,協賛をするか否かについて政治的に中立な基準を設け,それに基づいて協賛の是非を判断すべきだと思います。内容を見て恣意的に判断するべきではないということです。


もし,協賛ではなく市民会館等の自治体の施設の利用を断ったということになると,それが利用する団体の主義主張の内容を理由としたものであれば,表現の自由を侵害していることになります。

住民は市民会館等の自治体の施設を利用する権利をもっていて(どの条例にも規定されていると思います),施設利用上の支障がない限り利用を拒まれることがないはずだからです。

自治体が施設の利用を集会の内容だけを理由に拒むということはさすがにないだろうと思いますが,過去には,反対派による激しい抗議活動が予想されるという理由で市民会館の利用が拒否され,憲法訴訟になったこともあります。

大麻はお酒のようなもの?

2014.04.18 [ 神村 岡 ]

日本では大麻(マリファナ)は厳しく取り締まられており,資格を持たない人が大麻を所持したり使用したりした場合,5年以下の懲役が科されます。

ところが,海外に目を向けると,大麻が合法とされている国や地域が少なからずあり,しかも合法化が加速する動きすらあるようです。


アメリカのオバマ大統領は,過去に自身が大麻を使用していたことを明らかにし,「大麻は酒より危険ではない」とも発言し,大麻に寛容な姿勢を見せています。

まさに,ところ変わればルールも変わるということですね。


確かに,お酒も十分危険です。
急性アルコール中毒で亡くなる方はいますし,依存性もあります。
お酒を飲んで車を運転すれば,道路交通法に違反するのはもちろんですが,実際に危険です。

しかし,やはりお酒と大麻を同列に論じるのはかなり違和感があります。


アメリカで最初に大麻が完全合法化されたコロラド州では,連日大麻販売店が賑わっているようです。

お酒と同様に依存性のある嗜好品であることを考えれば,さもありなんという気はします。

しかし,合法化してしまった大麻が社会問題になる日がいつか来るのではないでしょうか。






少年法改正

2014.04.12 [ 神村 岡 ]

有期懲役の上限を引き上げるなどの内容で,少年法が改正されました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140411/k10013661431000.html

そもそも少年法というのは,非行したり犯罪を犯したりした未成年に対する処遇,処罰を規定している法律です。

大人が犯罪を犯すと,刑法などによって刑罰が科されることになりますが,未成年の場合,大人と同じことをしても刑罰が軽かったりします。

これは,未成年が大人よりも善悪の判断がつかないこと,単にやったことの責任を負わせるのではなく,後見的な観点から指導をした方が,本人の更生につながり,再犯可能性も低下することなどが理由です。

一般的に,若いうちは過ちを犯しやすいものだと思います。
若いときに犯した一度の過ちで大人と同様に長期間収容されることになると,上手く社会復帰できず,結局は再び犯罪に走ってしまうということも考えられます。
したがって,本人の更生という視点は,少年事件では欠かせないものです。

今回の改正では,有期懲役刑の上限が引き上げられ,これまでよりも重い刑罰を科しやすくなりました。
最近は,少年犯罪に限らず,厳罰化の傾向があるように思います。
その善し悪しは難しい問題ですが,こと未成年に関しては,本人の更生の視点が重要なのは変わりません。

なお,今回の改正で,国選付添人の対象事件が広がりました。
付添人というのは,一般の刑事事件でいうところの弁護人で,少年事件において後見的な立場から少年の弁護を行います。
国選というのは,国が費用を出して選任するということで,少年事件に関しては,一定の重大な犯罪に限って国が付添人を選任しています。

それ以外の事件についても付添人がつかないわけではなく,公的な付添人費用の援助制度がありますので,ほとんどの少年事件では付添人がついています。

私も,何件か少年事件を担当したことがありますが,どのような処分や対処が本人の更生にとって良いのか,いつも考えさせられます。



<  | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 

ページ上部へ