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トトロの巨大人形

2014.07.28 [ 齋藤 健太郎 ]

最近,YouTubeで,おじいさんがお孫さんのために,巨大なトトロの人形(人ではないが)を作った過程を公開したビデオを目にしました。
日曜大工歴52年のうどん屋さんが,あの有名な猫バスを待つシーンの傘を差したトトロを作り上げるというすごいものでした。サイズも実際のトトロにかなり近いもので,その熱意たるや並大抵のものではありません。

正直,出来映えも素晴らしく,素人がここまで出来るということに感動いたしました。
国道沿いに設置しているため,写真撮影をされる方もいらっしゃるようです。

しかし,ここまでやるとやはり著作権法違反です。スタジオジブリの許諾を得ているとは思えません。
そして動画の最後に「みんなもやってみてね!!」のテロップ・・・。

著作権法では,複製とか翻案などということが禁止されています。
一方で,私的使用というものがあり,「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とするとき」には,複製したりすることが認められているのです。
たとえばいわゆる「キャラ弁」(そっくりなやつですよ・・・原型をとどめないものはそれ以前の問題)をお母さんがお子さんのために作ったとしても,それは私的複製ということになって適法でしょう。

しかし,気をつけなければならないのは,「公衆送信」といってネット上にアップする場合には,違法になってしまうということです。
巨大なトトロは複製ないし翻案ということについても私的使用には当たらずに許されませんし,YouTubeで公開しているということについても問題ですね。

裁判員判決の破棄

2014.07.27 [ 神村 岡 ]

先日,両親が子供に虐待を加えて死亡させたという傷害致死事件について,裁判員裁判によって出た判決の内容が重すぎるとして,最高裁判所が結論を変更し軽くしたというニュースが流れていました。


これまで,高等裁判所で裁判員裁判の内容が変更されることはありましたが,高等裁判所も支持した裁判員の判決を,最高裁判所で変更するというのは初めてのことです。

今回,最高裁が問題視したのは,裁判員が出した結論が,同種の事件と比べて重すぎるという点です。
同じような傷害致死事件でいうと,懲役10年以下が相場のところ,今回の事件で裁判員が出した結論は懲役15年でした。
かなり重めの結論だったということはわかります。

裁判員には,刑の相場を知る機会があります。
裁判所には過去の裁判についてのデータベースが蓄積されており,それを見ることで,同じような事件であればどの程度の刑の重さになっているのかを知ることが出来るのです。

もちろん,裁判員はその相場に忠実に従わなければならないわけではありません。
しかし,どのような裁判官,裁判員に当たるかという偶然の事情によって刑の重さが大きく左右されるという事態を防ぎ,被告人間の公平を図るため,刑の重さを決めるときは過去の事例の相場から大きく離れてはいけないという原則があります。
特殊な事情があり,この件に関しては特別に重くすべきだといえる場合には,当然重くすることは許されるのですが,そうでない限りは,相場を大きく離れた刑を科すことは公平を害し,適切ではないと判断されうるのです。

もっとも,どのような事件が「同種の事件」に当たるのか,何が特殊事情に当たるのか,その事情をどの程度重視すべきなのかを適切に検討することは,容易なことではありません。
裁判員の仕事は,やはり楽なものではないと思います。

そんな法律もあったのか

2014.07.24 [ 神村 岡 ]

今日,少年数名が決闘罪で書類送検されたというニュースが流れていました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140724-00000037-mai-soci

決闘罪と聞いて,刑法にそんな罪があったかなと思いましたが,調べてみると,刑法ではなく「決闘罪に関する件」(通称)という法律に定められていました。

我々法律家はいろいろな法律を勉強して法律家になりましたが,使用頻度の低い法律は,全く読んだことも聞いたこともないということが多いです。

この決闘罪が定められた法律は,正にその使用頻度が低い法律に当たりますので,どこかで小耳に挟んだことはあったかもしれませんが,積極的に勉強したり覚えようとしたりしたことはありませんでした。少なくとも,法学部で使った教科書には載っていなかったと思います。

このように,法律家といえども知らない法律が無数にありますので,日々の仕事の中で,これまで接したことのない法律を読むこともあります。

しかし,法律の仕組みや解釈の方法は,どのような法律でも概ね同じです。そのため,法律家は,新しい法律に接するときでも,全くゼロからということではなく,これまでの経験を活かすことができるのです。また,新たなケースに直面した場合などには,このような法律があるかもしれないという勘も働かせることができます。

ですから,法律家が知らない法律が数多くあるからといって,それで直ちに問題が生じるわけではないのです。

その点はご安心下さい。

死にはしない。

2014.07.23 [ 小西 政広 ]

http://mainichi.jp/select/news/20140723k0000m040115000c.html


期限切れの肉を使ってた話。

従業員が,「期限切れを食べても死にはしない」と発言していたようですね。


ほんとに言ったかどうかはさておいて。


死にはしないって言われると,議論が終わってしまうから嫌ですね。

死にはしないならなんでも許されるのかと反論したくなってしまう。殺人以外は罰するに値しないのか,と。

もちろん程度を意識した話でしょうが,「死」を考慮要素にすると言うことは,そういうことじゃないかなと思います。


ともあれ,食品については,数字ではなく自分の舌で判断したいと常々思っています。

北大で高齢者虐待に関する講義をしてきました。

2014.07.22 [ 齋藤 健太郎 ]

先週,北海道大学の法学部の2年生向けの講義の講師をしてきました。
前にもロースクール生向けには何度か講義をしたことはありますが,法学部生向けの講義は初めてでした。

テーマは,高齢者・障害者に関する問題ということでしたので,「高齢者虐待における弁護士の役割」というテーマにしました。

高齢者虐待防止法(略称です。正式には例の如くもっと長いです)という法律がどのような法律であり,虐待を受けている高齢者を救うためにどのような制度を用意しているのか,そして,虐待をしてしまう側をどのように支援していくのかということを中心にお話しました。

弁護士というと裁判のイメージが強いですが,実際には,裁判以外にも相談を受けたりアドバイスをするという仕事が結構あります。
高齢者虐待においては,私の所属している高齢者・障がい者支援委員会経由で,区役所からの相談を受けたり,つながりのある地域包括支援センターからの相談を受けることがあります。また,役所においてケース会議というものが開かれますが,弁護士がその会議に参加して,法的な見地からのアドバイスをするということが行われています。

先週は,その講義の翌日に,地域包括支援センターの方々との勉強会もさせて頂きました。
これまた大変勉強になりました。

簡単ではありませんが,これからも専門的知識を得て経験を積み,少しでも虐待の解消に役立ちたいと思っています。

DNA鑑定の功罪(2)

2014.07.22 [ 齋藤 健太郎 ]

前に「DNA鑑定の功罪」というテーマで記事を書きました。

そのときは,DNA鑑定のせいで今までわからなかった血縁関係が明らかになってしまうことの問題点について触れましたが,今回もその話をしたいと思います。

先日,最高裁判例がありました。DNA鑑定によって血のつながりのないことが判明した「父親」であっても,法律上は父親であり,例外は許さないというものです。
「嫡出推定」という規定がある以上(前のブログ参照),それを優先するというものです。

さて,変なことになってしまいました。
この四角四面のいかにも「法律」という感じの判決によって,世の中には,自他共に血のつながりの全くないことが判明している「父親」が存在することになりました。一方で,本当の父親はどうやっても法律上の父親になれないということになります(例外はありますが)。

たしかに,民法は,本当の父親じゃない場合があることを想定していました。でも,それは,本当の父親かどうかなんて調べようがないということが当然の前提になっていたのではないでしょうか。本当の父親がほぼ100%わかってしまうことは民法の想定していたものではないはずです。
父親というのは養子を除いて血縁関係にあるものを指しているのではなかったのでしょうか?

そもそも,繰り返し言われる「法的安定性」というのはいったい何でしょうか?
父親じゃないことがわかってしまった時点で,親にとっても子供にとっても,法律上父親かどうかはもはやどうでもいいことになってしまうのではないでしょうか?
法的安定性は,すでにDNA鑑定の存在によって害されてしまっているのです。
疑いを持たないようにするか,DNA鑑定の実施に制限をかけることができない限り,もはや歯止めはききません。
私には守るべきものがあるようには思えません。

私は,法は真実に謙虚であるべきではないかと思います。
新たな法律を作ることで解決すべきだというのも一つの考えだと思いますが,判明している真実との乖離がある場合に真実に即した解決を行わないことは法の自殺行為ではないかと思います。

生活保護と外国人

2014.07.22 [ 神村 岡 ]

今月18日に,外国人の生活保護受給権を否定する最高裁判決が出ました。

これは,外国人の憲法上の生存権(国家から生存を保障される権利)を否定するものです。

現実には,行政の通達によって,日本に居住する外国人は日本人と同様に生活保護を受給できることになっていますが,あくまで行政の判断で保護しているにとどまり,行政の方針が変わって外国人には生活保護を支給しないという判断をしても憲法には違反しないということになります。

憲法の文言上,生存権を保障されるのは日本国民であって,外国人に生活保護受給権が保障されないのは当然と思われるかもしれませんが,それほど単純な話ではありません。

現に,今回の最高裁判決の前に第2審として審理した福岡高等裁判所は,生活保護の受給権は外国人にも保障される旨の判断をしており,文言のみから答えが明確に出るわけではないのです。

今回の判決によって,少なくとも憲法上は外国人に生活保護を支給しないという判断も許容されることとなりましたが,実際に,日本に居住している外国人に対して,外国人だからという理由だけで生活保護の受給を拒否するのはやってはいけないことだと思います。

生活保護については不正受給がクローズアップされていることもあり,生活保護受給者に対する世間の風当たりは強いようですが,生活保護を受給している人の多くは,受給しなければ本当に生きていくことができないのです。

そして,同じような問題を日本に居住する外国人が経験することはあり得るのであって,そのときに,日本人ではないからどうなっても知らないという対応をするというのは人道上許されないと思います。

成年後見業務における身上監護の研修

2014.07.19 [ 齋藤 健太郎 ]

先日,私が幹事を務める「札幌弁護士会遺言・相続研究会」の研修がありました。
この研究会では,定期的に遺言や相続について研修を開催しています。

研修では,成年後見業務における身上監護のポイントについて,成年後見業務を多数経験されている社会福祉士の先生にご講演頂きました。

能力が衰えてしまい,財産管理などができなくなった場合には,親族などが申立をして,成年後見人という人がつくという制度があります。その場合,成年後見人は財産を管理していればそれで良いというものではありません。本人のより良い生活や環境を整えるためにどうすれば良いのかを考えていくのもまた成年後見人の仕事です。
それを身上監護という言葉で表現しています。

しかし,これがなかなか難しい。
弁護士は法律のプロですが,介護,医療などの福祉分野については全ての弁護士が詳しいわけではありません。
また,福祉関係者とのネットワークを十分に有しているわけでもありません。

そこでこのような研修をして,介護・福祉なども十分に理解していくことがとても大切なのです。
私も現在成年後見人として業務を行っている事案が複数ありますが,少しでもその事案に生かしていければと思います。

父子関係とDNA鑑定②

2014.07.18 [ 神村 岡 ]

昨日,最高裁が,民法上の父子関係の推定をDNA鑑定で覆すことはできないという判決を出しました。

4月のブログで書いたように,DNA鑑定の結果を重視して親子関係を覆した高裁判決が取り消されるのではないかと予想されていましたが,やはり取り消されました。

今回裁判所が判断したのは3件で,1件は法律上の父親(夫)が父子関係の取消を求めた訴訟,他の2件は母親が元夫と子との父子関係が存在しないことの確認を求めた訴訟です。

最高裁が民法上の父子関係を覆すことを認めなかった理由は,子の身分についての法的安定性を重視し,いつまでも父子関係が覆る状態が続くのを防ぐという点にあります。

民法772条は,婚姻中に妻が妊娠した子は夫の子と推定すると定めていて,生物的な父親が誰かということにかかわらず,基本的にはまず夫が父親だと推定されます。
夫は,嫡出否認の訴えを起こすことでその推定の効力を争い,自分は父親ではないと主張することはできるのですが,その訴えを起こせるのは出生後1年以内と制限されています。
他方,母親や子も,子と父の親子関係が関係しないことの確認を求める訴訟を起こすことができ,これには特に期間制限はありません。

親子関係の不存在確認が認められ,父子関係の推定が覆るのは,妊娠期間中に妻と夫が完全に別居していて接触がなかったといった事情がある場合です。

民法の父子関係の推定規定は古く,法律が制定された当時はDNA鑑定などは一切想定されていませんでした。
最高裁は,DNA鑑定で推定を覆すことを否定しましたが,5人中2人は反対するなど悩みを見せており,法律を改正する必要性にも触れています。
つまり,今の民法の規定の解釈だけで妥当な解決を図っていくには限界があるので,技術の進歩などを踏まえて法律の方を変えていくべきではないかということです。

今後,父子関係についての民法の規定を改正する動きが出てくるかもしれません。






スーパー○○○富永愛

2014.07.15 [ 齋藤 健太郎 ]

富永愛さんに会いました。

しかし,スーパーモデルではなくて,同姓同名の弁護士であり現役のドクターです。
スーパー弁護士というところでしょうか。

富永愛先生は,一度弁護士になった後,医大に入学し,その後,弁護士に復帰した異例の経歴の方です。
乳腺外科の現役の医師としてご活躍されながら,弁護士業務もされております。

私の所属する札幌医療事故問題研究会でお招きして,ご講演頂きました。

今日学んだことは,現在では,乳がんの手術時ないし手術後に乳房の再建手術を行うことが可能となっているということでしょう。
今までは,乳房を出来るだけ温存することを重視してきたようですが,むしろ全部切除してから再建する方がキレイになるということがあるようです。体の他の場所から組織を持ってきたり,脂肪を入れたり,シリコンを入れたりするようです。シリコンによる再建は,一部,保険が使えるようになったとのことでした。

事件として扱う場合には色々と勉強するのは当然ですが,日頃から広く色々な医療の話に触れるのはとても重要だなと再認識した日でした。

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