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齋藤健太郎弁護士 小西政広弁護士 神村 岡弁護士

診断協会55周年

2014.11.08 [ 神村 岡 ]

先日,中小企業診断協会北海道の55周年記念交流会があり,新米診断士として参加してきました。当日は,診断協会内にいくつかある研究会の活動報告や事例発表,会員の表彰などの後に交流会という流れでした。


診断士の一人が言っていましたが,診断協会北海道の診断士の人数は、ここ10年で倍近く(約190名)になったそうです。


中小企業診断士の資格は知らない人も多いと思いますが,いざ何か資格を取ろうと思ったときに,結構上位に上がってくる人気のある資格のようです。


診断士はそれぞれ専門分野や強みをもっています。特定の業種に強い人,ITに強い人などさまざまです。また,なかなか個性的な方が多いとも思います。個人で診断士として独立している人もいれば,金融機関など企業内診断士として活躍している人もいます。


さて,私はまだ研究会に所属していなかったのですが,交流会の席で企業再生の研究会に入会することが決まりました。また,知的財産関係の研究会にも顔を出してみようと思います。


診断士仲間と切磋琢磨してやって行けたらと思っています。


自分が運転しなくても事故の責任を負うこともある

2014.11.05 [ 小西 政広 ]

通常,交通事故が起こったとき,運転手が事故の責任を負います。

しかしこの原則は自動車損害賠償保障法という法律によって,拡大されています。

この法律では,「運行供用者」という要件により,実際に自動車を運転していない人にも責任を負わせることが可能となるケースを認めています。

実際の判例では,

国道沿いで,周囲にフェンスや壁もなく,誰もが車両を容易に発見でき,自由に出入りできる民宿の駐車場に,夜間キーをつけたままドアロックもしないで停めていた車両が窃取され,事故を起こした場合に,車両保有者には車両の管理を怠った過失があり,窃取後近接した時間と場所において本件事故が発生していることから,車両保有者に運行供用者責任がある

と認められたケースがあります。

車を盗まれただけでも被害者といえるのに,さらにその犯人に交通事故を起こされ,怪我をする被害者がでたらその責任も負わなければならないとなると,たまったものではありません。

車両の保有者は,自分の目の届かないところで自分の車を危険な行為に使われないように,最低限の注意を尽くす必要があるということでしょう。


9:1の謎

2014.11.04 [ 齋藤 健太郎 ]

交差点などで車両同士の事故が起きた場合に,基本的に悪いのはどちらかというのがまず問題になりますが,その先に,もう一方の過失というものも問われます。いわゆる10ゼロの事案といえるかどうかです。

正確には,「過失相殺」といいます。

皆さんもご存じのとおり,双方が動いている事故だと,赤信号無視などの場合じゃなければ,全面的に片方が悪いということにはならず,もう一方にも過失が認められることが多々あります。

でも,私は9:1などの場合に果たして過失相殺を認めるべきだろうかという疑問をいつも持っています。
というのも,そのような事故は,片方に大きな過失があることが前提となっていて,その過失がなければ事故自体が生じなかったといえるからです。法定速度で普通に走行していた場合がほとんどですから,逆に,被害者側の「じゃあどうすれば避けられたのか?」という疑問にも答えられないはずです。実はこれは多くの人が抱いている感覚じゃないでしょうか。
非常に重い後遺症を負ったりした場合に,はっきりと落ち度といえるものは何もないにもかかわらず,もらえる損害が少なくなってしまうことになり,問題は大きくなります。

私の個人的な推測ではありますが,このような過失相殺が一般化したのは,保険会社同士の示談交渉が行われてきたことが大きく影響しているのではないでしょうか。常に逆の立場になりうる保険会社間の交渉では,事を納めるために一定の過失を認めるというのは十分に考えられます。

車を運転することがすでに過失なんだといわれれば仕方がないという気持ちになりますが,そこまで小さな過失を問うことにどれだけの意味があるのか再度考える必要なはないでしょうか?
少なくとも,それが交通事故の実務だから当然なんだという考えは正しいとは思えません。

ネット時代の想像力

2014.11.04 [ 齋藤 健太郎 ]

最近は,新聞を読むよりも,ネットでの情報の方が深く情報を得られたりすることもあります。もっと知りたいと思うと,意外と詳しい情報が得られたりすることもあり,情報収集には欠かせないツールです。
また,そもそも新聞だと出てこない情報もたくさんありますので,ネットなしに生活することはほぼ不可能です。

でも,最近思うのは,情報が多いということは,実は真実から遠ざかることもあるのではないかということです。
理由を適当に考えてみました。
一つ目は,情報といっても本当に真実のわずか一部を切り取っているに過ぎないということです。
いくら切れ端が増えたところで,全体像は見えません。

二つ目は,我々がネットで検索しているのは,興味・関心のある情報だけだということです。
逆に情報を与える方もそういう切り口で情報を提供しますので,実は多角的な視点では検討できていません。

三つ目は,デマが紛れ込むためにその情報の正確性が担保できないということです。結局は,あらゆる情報を信じられなくなり,価値は低下してしまいます。

では,ネット社会において,どうやって自分に必要な情報を得るべきなのか。
一を聞いて十を知るという言葉がありますが,少ない情報の中でもこの時代に何が起きているのかを理解していくためには,少ない固い情報から,事実を作り上げる力が必要なのではないでしょうか。
全てを知るというのは無理ですよね。
いくつかの重要かつ大きな視点をもって,想像力を働かせていくことの方がよほど真実に近づけるのではないか・・・そんなことを感じます。

弁護士の仕事も,調査によって証拠が沢山出てこないことも多々あります。
その場合に必要なのは,想像力を働かせて,いかに説得力のあるストーリーを裁判官に提示するかということです。
少ない事実であっても,それが全て一つの流れで説明できるときには,とても説得力のある話になります。
逆に一つ一つの証拠だけでは,ジグソーパズルのピースに過ぎませんが,足りないところを埋めていくと,全体の絵が見えてくる・・・たとえるとそんな感じでしょうか。
まさに弁護士の腕の見せ所ではないでしょうか。

危険運転致死傷罪

2014.11.01 [ 神村 岡 ]

先週の金曜日に,銭函のビーチでのひき逃げ事故の刑事裁判で,検察が訴因を過失致死傷罪から危険運転致死傷罪に変更したとのニュースが流れていました。


訴因というのは,ごく簡単に言うと刑事裁判の中で審理される,具体的にどのような犯行をしたのかという事実のことです。
過失致死傷罪から危険運転致死傷罪に訴因が変更されることで,危険運転致死傷罪の成否が審理されることになります。

自動車運転処罰法によると,過失運転致死傷罪(5条)が7年以下の懲役又は100万円以下の罰金であるのに対して,危険運転致死傷罪(2条)は1年以上の懲役です。1年以上ということは,最大で30年まであり得るので,かなりの違いになります。

起こしてしまった結果を考えると,過失運転致死傷罪で7年までしか刑を言い渡せないというのは軽すぎるのかもしれません。

今回の検察の判断を動かしたのは約7万名分もの署名です。

危険運転致死傷罪は成立要件が狭く,その分立証も難しいのですが,検察としては署名を受けてギリギリの判断で訴因を変更したのではないでしょうか。


訴訟は時間がかかるもの!?

2014.10.29 [ 小西 政広 ]

交渉事には,「時間」というものが大きく関わります。

解決するまでに待てる時間が少なければ,

すぐに解決して欲しい,だから大幅に譲歩せざるをえない。

そんな展開がありえます。

解決までの時間が少なくなるように,いろいろな手段はあり,それらの組み合わせや使い方を工夫しますが,やはり基本的には,「急ぐ」場合には「譲歩」をせざるを得ないということを日々感じています。

そんな時に気になるのが,訴訟という手段です。

一昔前はもっと時間がかかっていたようですが,訴訟手続をできるだけ早くするように法改正されても,やはり時間はかかります。どんなに簡易な訴訟でも,最低6ヶ月はかかっています。

訴訟をすると,確実に,交渉よりも有利になりそうな事案でも,急ぐ場合には,最低6ヶ月もかかる訴訟はなかなか使えません。

訴訟では,時間をかけて調査を進めることで何か閃きがあったり,思いもしない事実が出てきたりもするので,一概に早いほうが良いともいえないところですが。。。

懲罰的損害賠償

2014.10.27 [ 齋藤 健太郎 ]

よくアメリカでは,何十億円,場合によっては何百億円という金額の損害賠償請求が認められることがあります。
ニュースで見ていても,日本に比べて非常に高額だなあという印象を受けます。

日本では,人が一人亡くなったとしても,1億円にいかないというところですが,アメリカではなぜそんなに高くなるのでしょうか。

その原因の一つが「懲罰的損害賠償」(ちょうばつてきそんがいばいしょう)というものの存在です。
これがあると,実際に受けた被害を回復するということを超えて,要するに悪いことをしたことに対する制裁としての金額が上乗せされるということになります。

アメリカでは,医療訴訟でも,金額が高額化するために,保険料が高額となっているということも聞きます。
それに対して,一部の州で医療訴訟における損害賠償額に制限が設けられるなど,対応がなされているようです。

日本では,被害を回復するということだけにとどめるという考えが強いため,今後も懲罰的損害賠償が認められる可能性は低いとは思います。
また,アメリカの陪審制(一般の人が判断)とは違って,日本では,民事事件は裁判官が判断します。
裁判員制度というものがありますが,あれは民事事件ではなく,刑事事件のみです。
仮に,日本でも陪審制が採用されるようなことがあれば,それと相まって,金額が高額化するということも考えられますが,今後も日本では控えめな金額にとどまることでしょう。

裁判ではある程度の相場というものがありますが,被害をお金に換算すること自体が非常に難しいことです。
ひどいことをされた相手に大きな負担をしてもらいたいというのはとても素直な感情でもあり,懲罰というかどうかはおいても,適切な損害賠償というものは常に考えていかなくてはならないと私は思います。
すでに失われたものは決して戻らないのですから。

アイスホッケーのルール改正

2014.10.25 [ 神村 岡 ]

札幌の社会人リーグに限った話ですが,最近ルールの改正がありました。

アイスホッケーには,アイシングというルールがあります。
端的にいうと,中央よりも手前からパックを相手陣地に放り込んだらプレーが止められて自陣からリスタートすることになるというものです。

アイスホッケーのの競技において,スケートリンクは縦に3つに分けられます。味方チームから見ると,味方チームのゴールのある方から順に,ディフェンディングゾーン,ニュートラルゾーン,アタッキングゾーンです。
そして,ちょうど真ん中のラインがセンターライン,ゴールがあるラインがゴールラインです。

センターラインの手前から,アタッキングゾーンに向けてパックを放り込み,それが誰にもふれずに相手のゴールラインを越えると,アイシングが成立します。アイシングが成立するとプレーが止められ,ディフェンディングゾーンに戻ってフェイスオフで再開されることになります。

これまでは,以上のような単純な話だったのですが,今回の改正によって,放り込まれたパックがゴールラインを越えても,攻撃側(放り込んだ方)がそのパックに先に触りそうであればアイシングにはならない,ということになりました。

これまでにも細かなルール改正はありましたが,これはなかなかインパクトのあるルール改正です。

この改正によって,ディフェンスがパックをアタッキングゾーンに放り込んで,フォワードが走ってそれを奪いに行くという作戦が成立することになります。アイスホッケーにもオフサイドがあるため,フォワードがパックが放り込まれる前にアタッキングゾーンで待っているということはできないのですが,とりあえずフォワードが頑張って走れば何とかなるという要素が強まってしまいました。

私の今のポジションはフォワード(レフトウィング)なので,運動不足の体にむち打って走らざるをえない場面が増えそうです。

携帯電話を持ち去って器物損壊

2014.10.22 [ 小西 政広 ]



「他人の物を損壊し,又は傷害した者」は,「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金もしくは科料」に処せられます(刑法261条)


この「損壊」については,広く物本来の効用を失わしめる行為を含むとするのが一般的で,確かに広く解釈すれば,

携帯電話を持ち去られる→当該携帯電話はその本来の機能を失う

ということで,「広く効用を失う」といえなくもないんでしょうか?

やはり,「損壊」という語義からすると,物理的に壊さないとだめだとおもいます。

かつて判例では,鍋の放尿したケースで,「損壊」と評価されました。

これはまあ,その行為だけで食器としては使えなくする行為ということで,物理的に壊していなくても「壊した」に等しいと納得できます。

刑法は,処罰が強力であり,文言を不明確に解釈してもよいということになれば,人の行動を極端に制限してしまいます。

なので,不明確な解釈は許されない,という原則があります。

今回のケースは,さすがに示談していなくても,器物損壊では起訴しないと思います。ね。

下請法

2014.10.18 [ 神村 岡 ]

先日,日弁連が主催した下請法の研修会に参加しました。

下請法というのは,発注する側の会社(親事業者)と下請け側の会社(下請事業者)の関係を規律する法律で,一般的に下請事業者は親事業者との関係で交渉力が弱く不利な地位に置かれることが多いため,不利益を受けやすい下請事業者を保護するための法律です。

主な内容は以下のようなものです。

まず,親事業者の義務として,
①契約の内容などを示した書面を下請事業者に交付・保管すること
②下請事業者への代金の支払い期限を定めること(支払期限は物品等を受領する日から60日以内)
などが定められています。

また,親事業者への禁止事項として,
①物品等の受領拒否
②代金の支払い遅滞
③代金の減額
④返品
⑤親事業者の商品等の購入の強要
⑥親事業者の不当な行為を公正取引委員会等に告げたことに対する報復措置
などが禁止されています。

公正取引委員会は,親事業者がこの法律の規定に違反した場合,違反の状態を解消するように是正勧告をすることができる他,従わない場合には課徴金を課すこともできます。また,刑事罰としての罰金もあります。

このように,下請事業者を保護するための法律が整備されているのですが,この法律に反するような行為は後を絶ちません。
公正取引委員会への報告に対する報復措置が禁止されているとしても,将来的に発注を打ち切られてしまうリスクを考えると,下請事業者はなかなか強気に出られないということもあるかもしれません。

実は,下請法のような法律が定められているのは日本だけなのだそうです。
他の国では親事業者が好き放題しているのかというとそうではなくて,他の国では日本ほど下請事業者が不利な地位には置かれていないため,法律を定める必要もないのです。

日本で下請事業者が不利な地位に置かれているのは,同じ親事業者から長期間にわたって受注する企業が多いこと,全受注の中で特定の親事業者からの受注が占める割合がとても高いことなどが原因になっているようです。

親事業者との関係で不利な立場におかれることを考えると,受注先を増やすとか,一定期間ごとに取引を見直すといった工夫が下請事業者には求められると思いますが,新規開拓が難しい傾向が日本にはあるとか,一定のシェア以上の取引を親事業者から求められるとか,いろいろと障害もありそうです。

そうすると,提供する商品やサービスの質を向上させ,差別化を図り,替えのきかないものを提供していくということが,結局は下請事業者が自己防衛をするための一番の近道かもしれません。

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